司法書士試験の予備校を調べると、伊藤塾、LEC、TAC、アガルート、スタディングなど、いくつもの選択肢が出てきます。
しかも、同じ予備校でも講義単体、入門コース、答練付きコース、フルカリキュラムなどに分かれており、単純に金額だけを比較しても意味がありません。
自分は伊藤塾の山村拓也講師のコースをメインに受講し、答練ではLECも利用しました。その結果、約1年3か月の勉強期間で司法書士試験に一発合格しています。
一方、TAC、アガルート、スタディングについては実際の受講経験がありません。そのため、この記事では自分の体験談と、各校が公式に公開している講座内容を分けて紹介します。
※料金・制度は2026年9月22日時点の公式情報をもとにしています。キャンペーンや申込時期によって変わるため、申込み前に必ず公式サイトをご確認ください。
LEC司法書士-基礎講座 商品一覧司法書士予備校5校の料金と全額返金制度を比較
代表的な初学者向け講座を比較すると、次のようになります。
| 予備校 | 代表的な初学者向けコース | 通常価格の目安 | 合格時の全額返金 |
|---|---|---|---|
| 伊藤塾 | 司法書士入門講座 本科生ステディコース | 529,000円 | なし |
| LEC | 新15ヵ月合格コース・通信 | 586,000円〜 | なし |
| TAC | 山本オートマチック1年総合本科生・Web通信 | 495,000円 | なし |
| アガルート | 入門カリキュラム・フル | 382,800円 | あり※ |
| スタディング | 合格コース・コンプリート | 99,000円 | なし |
伊藤塾は、講座によって別途入塾料10,000円が必要です。
TACも、初めて利用する場合は受講料とは別に入会金10,000円が必要になることがあります。
LECはコースによって必須教材が別売りになるため、講座の表示価格だけでなく、教材を含めた総額を申込画面で確認したほうがいいです。
スタディングはコンプリートコースが99,000円、冊子テキスト付きが119,500円です。キャンペーン期間中は、これより安くなる場合があります。
予備校の料金を比較するときは、講義単体ではなく、テキスト・過去問・記述式対策・答練・模試まで含めた総額で比較する必要があります。
全額返金制度があるのはアガルート
今回比較した初学者向け講座の中で、合格した場合の全額返金制度が用意されているのは、アガルートの対象カリキュラムです。
2027年合格目標の場合、対象となるのは「入門カリキュラム・フル」などです。講義単体やライトカリキュラムは対象外です。
また、「全額返金」といっても無条件ではありません。
主な条件は次のとおりです。
- 対象年度の司法書士試験に合格する
- 合格通知書を提出する
- 合格体験記を提出する
- 顔出しの合格者インタビューに出演する
- 指定された期限内に手続きを完了する
返金対象は、実際に支払った対象講座の税抜価格です。さらに原稿料・講演料として支払われるため、源泉所得税が控除されます。
そのため、支払った税込金額が、そのまま全額戻ってくるわけではありません。
条件を満たした場合は、返金に加えて合格お祝い金3万円も用意されています。
一方、スタディングには全額返金制度はありませんが、対象コースの合格者には1万円分の合格お祝い金制度があります。
LECやTACにも「合格者向け返金制度」と書かれた制度がありますが、これは主に今年の試験結果が出る前に翌年度の中上級講座へ申し込み、その後今年の試験に合格した人を対象とするものです。
「初学者コースを受講して、その年に合格したら受講料が戻る」という制度ではないため、アガルートの合格特典とは分けて考えたほうがいいです。
伊藤塾とLECを実際に利用して感じたこと
自分がメインで利用したのは、伊藤塾の山村拓也講師のコースです。
伊藤塾を選んだ理由は、一発合格を目指すうえで、カリキュラムと教材に対する信頼性を優先したかったからです。
司法書士試験は範囲が広く、初学者が自分だけで「どこまで勉強するか」を判断するのは難しいです。
伊藤塾では、講義、テキスト、復習用教材が連動していたため、基本的にはカリキュラムに沿って進めれば勉強の軸が大きくぶれませんでした。
自分は、間違えた問題や覚えられなかった論点をすべてテキストに集約し、付箋を貼って管理していました。
教材を増やさず、伊藤塾のテキストを情報の中心にしたことは、一発合格できた大きな要因だったと思います。
一方、伊藤塾は安い予備校ではありません。
現在の代表的な初学者向け講座は50万円を超えます。講義をためてしまう人や、自分で学習を進められない人にとっては、高額な教材を買っただけで終わる可能性もあります。
LECは主に答練で利用しました。
司法書士試験では、知識を覚えるだけでなく、時間内に問題を処理する練習が必要です。その意味で、受験者数が多く、本試験形式の問題を経験できるLECの答練には価値がありました。
LECは講師やコースの選択肢が多い反面、初めて予備校を選ぶ人には少し複雑です。
また、講座価格とは別に教材費が発生する場合があるため、表示されている金額だけで判断せず、最終的な支払総額を確認する必要があります。
自分は、インプットを伊藤塾、アウトプットの一部をLECで補う形で合格しました。ただし、最初から複数校の教材へ手を広げることはおすすめしません。
TAC・アガルート・スタディングはどんな人に向いているか
TACの代表的な講座には、山本浩司講師の「オートマチック」シリーズを使用するコースがあります。
山本オートマチック1年総合本科生のWeb通信講座は495,000円、1年本科生は462,000円です。
大手予備校らしく、Web通信だけでなく、DVD通信や校舎のビデオブースなども選べます。
また、1年本科生の一部は一般教育訓練給付制度の対象となっており、条件を満たせば受講費用の20%、最大10万円が支給されます。
ただし、これは合格時の全額返金ではありません。雇用保険の加入期間や講座の修了要件を満たした人に対する公的給付です。
アガルートは、講義単体が162,800円、ライトカリキュラムが272,800円、フルカリキュラムが382,800円です。
大手通学予備校より価格を抑えながら、フルカリキュラムには記述式対策や答練などが含まれています。
さらに、対象のフルカリキュラムには合格時の返金制度があるため、合格特典まで含めて選びたい人には魅力があります。
ただし、返金を受けるためには顔出しインタビューなどが必要です。匿名で受験したい人や、勤務先に資格取得を知られたくない人は、条件を確認しておく必要があります。
スタディングは、価格を最優先する人向けです。
基本講座とWebテキストに絞ったミニマムコースは49,500円。問題集を含むベーシックが69,300円、記述式対策を含むスタンダードが89,100円、添削と模試を含むコンプリートが99,000円です。
紙のテキストが必要な場合は、冊子テキスト付きコンプリート119,500円、または冊子版オプション29,800円を検討することになります。
スマートフォン中心で勉強できるため、通勤時間や隙間時間を使いたい会社員には合っています。
一方、講師や合格者へ直接相談しながら勉強したい人には、伊藤塾、LEC、TACなどのほうが安心できる可能性があります。
予備校は料金より「最後まで使い切れるか」で選ぶ
司法書士試験の予備校は、最安値だけで決めないほうがいいです。
50万円の講座でも一発で合格できれば、2年、3年と受験を続けるより安く済む可能性があります。
反対に、10万円以下の講座でも、自分に合わず途中で別の予備校へ乗り換えれば、結果として費用も勉強時間も増えます。
選ぶ際は、少なくとも次の点を確認したほうがいいです。
- 講師の説明を理解しやすいか
- 紙のテキストが必要か
- 記述式の添削が含まれているか
- 質問や学習相談ができるか
- 通学と通信のどちらが続けやすいか
- 講義を受ける時間を確保できるか
- 教材費を含めた総額はいくらか
- 返金や給付制度の条件を満たせるか
自分の場合は、一発合格しか考えていなかったため、価格よりもカリキュラムの再現性と信頼性を優先して伊藤塾を選びました。
ただ、すべての人に伊藤塾が正解だとは思いません。
価格を抑えたい人、スマートフォン中心で勉強したい人、対面で質問したい人では、選ぶべき講座が変わります。
無料講義を実際に視聴し、「この講師の説明なら1年以上聞き続けられる」と思える講座を選ぶのが一番重要です。
まとめ:自分の予算と学習環境に合う1校を決めよう
5校を大まかに分けると、次のようになります。
- 実績とサポートを重視するなら伊藤塾
- 講師やコースの選択肢を重視するならLEC
- オートマ教材や通学環境を重視するならTAC
- 価格とカリキュラムのバランス、合格特典を重視するならアガルート
- 価格とスマートフォン学習を重視するならスタディング
自分は伊藤塾をメインに利用して一発合格しましたが、予備校選びで大切なのは、評判のいい学校を探し続けることではありません。
一度決めた教材を信じて、試験当日まで繰り返すことです。
予備校を何度も変えたり、評判のいいテキストを次々に買ったりすると、知識の管理場所が分散します。
どの予備校を選ぶとしても、まず無料講義やサンプル教材を確認し、自分に合う1校を決める。
決めた後は、余計な教材へ広げず、そのカリキュラムを最後まで使い切る。
これが、司法書士試験の予備校選びで最も重要だと思います。


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