司法書士試験の教材を調べると、テキスト、過去問、記述式問題集、答練、模試など、とにかく大量の商品が出てきます。
「全部やったほうが安心なのでは」と思うかもしれませんが、自分は逆でした。
使う教材を必要最低限に絞り、同じ教材を何度も回すことを最優先にしていました。
自分が司法書士試験の勉強で使ったのは、主に次の教材です。
● 伊藤塾・山村拓也講師の入門講座と講義テキスト
● 講座付属の択一基礎問題ドリル、ひな形練習ドリル
● 市販の「伊藤塾セレクション 司法書士過去問」
● 伊藤塾の記述式答練
● LECの答練・公開模試
● 赤シートで確認できる「ケータイ司法書士」
大学2年の6月から勉強を始め、翌年の試験に一発合格しました。この記事では、実際にどの教材を、どの段階まで、どう使ったのかを全部まとめます。
結論から言えば、合格に必要だったのは教材の多さではありません。メイン教材を決め、試験当日まで繰り返せる仕組みを作ることでした。
メイン教材は伊藤塾の講義テキスト
勉強の中心に置いたのは、伊藤塾の山村拓也講師のコースです。
伊藤塾の司法書士入門講座で使用した講義テキスト
実際に使用した伊藤塾の入門講座テキスト。民法、不動産登記法、商法、商業登記法、民事手続法・司法書士法、憲法・刑法を、このテキストへ情報を集約しながら周回しました。
講義を見ながらテキストへ情報を書き込み、過去問や答練で間違えた内容も、最終的にはすべて講義テキストへ戻しました。
教材ごとに情報を分散させると、「あの論点はどこに書いてあったっけ」と探す時間が増えます。そこで、自分は講義テキストを見れば必要な情報を確認できる状態を作りました。
この講義テキストは、試験当日までに13周しています。
一方、講座についていた択一の基礎問題ドリルと、記述式のひな形練習ドリルを使ったのは3周目までです。
どちらも最初に基礎を固めるには役立ちました。ただ、内容は基礎編であり、本試験レベルの演習を続ける教材ではないと判断しました。
基礎教材まで惰性で13周したわけではありません。役割を終えた教材は3周で切り上げ、テキスト、過去問、答練へ時間を集中させました。
「一度買ったから最後まで使わなければ」とは考えませんでした。教材ごとに役割を決め、その役割を終えたら手放す。この判断も勉強時間を確保するうえで重要でした。
伊藤塾の司法書士講座:
https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihoshoshi/
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過去問は市販の伊藤塾セレクションを使った
講座の教材とは別に、市販の「伊藤塾セレクション 司法書士過去問」を全科目そろえました。
当時使っていたシリーズは、次の4冊です。
● 司法書士過去問 民法(伊藤塾セレクション1)
● 司法書士過去問 憲法・刑法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・供託法・司法書士法(伊藤塾セレクション2)
● 司法書士過去問 会社法・商法・商業登記法(伊藤塾セレクション3)
● 司法書士過去問 不動産登記法(伊藤塾セレクション4)
講義で学んだ範囲と並行して、対応する単元の過去問を解きました。
最初から正解することより、「講義で聞いた知識が、本試験ではどう問われるのか」を確認することが目的です。まだ理解できなくていい範囲は講師が教えてくれたので、そこは無理に立ち止まらず、できる範囲で前へ進みました。
過去問も講義テキストの周回に合わせて回し、最終的には13周しました。
本試験も過去問から抜粋して構成される部分が大半であるため、過去問はとにかくスピード重視で反射的に正誤判定できるようにしました。
間違えた問題の解説を何冊ものノートへ書き写すことはしていません。必要な内容はテキストへ集約し、次の周回で再確認しました。
伊藤塾セレクションの旧シリーズ紹介:
https://www.itojuku.co.jp/book/newbook/shihoushoshi/pg80798.html
現在の伊藤塾「択一式厳選過去問集」:
https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihoshoshi/kouza/27C18100.html
※自分が使った版は現在の最新版ではありません。中古の旧版は法改正前の内容を含む可能性があるため、これから購入するなら必ず最新版・法改正対応の有無を確認してください。
記述式対策では、伊藤塾のコースについていた答練に加えて、LECの答練・公開模試も利用しました。
不動産登記法と商業登記法は、答練や過去問を使って毎日それぞれ2問ずつ解いていました。
記述式は、知識を覚えるだけでは足りません。問題文を読み、申請の順序を判断し、制限時間内に答案を書き切る作業そのものに慣れる必要があります。
その意味で、LECの答練はかなり良かったです。
自分の感覚では、LECの問題のほうが伊藤塾より本試験に近く、実戦的でした。また、当時自分の住んでいたエリアで会場受験できる答練・模試が、自分の選択肢ではLECしかありませんでした。
自宅なら途中で休憩したり、少し時間を延ばしたりできます。しかし、決められた時間に会場へ行き、周囲に受験生がいる状態で、最後まで解き切る練習は別物です。
司法書士試験はとにかく時間との勝負なので、緊張の中、サクサクとく訓練にうってつけでした。
LECは知識を増やすためだけではなく、本番の時間配分、緊張感、集中力を確認するために使いました。
LECの精撰答練・公開模擬試験:
精撰答練[頻出論点記述編]の商品リンク※答練名、回数、会場は年度によって変わります。申込み前に、その年度の実施校と会場受験の有無を確認してください。
机に座れない時間には、森山和正先生の「ケータイ司法書士」を使っていました。
「ケータイ司法書士」民法、不動産登記法・供託法・司法書士法。赤シートを使い、移動や待ち時間に一問一答形式で確認していました。
ただし、こちらは勉強計画へ厳密に組み込んでいません。
病院の待ち時間や移動時間など、テキストを広げにくい場面で赤シートを使い、テンポよく問題と答えを確認する程度です。
メイン教材はあくまで伊藤塾の講義テキストと過去問。一問一答は、空白時間を勉強時間へ変える補助教材という位置づけでした。
補助教材にまで完璧を求めると、メイン教材の周回が遅れます。
どの教材も同じ熱量で取り組むのではなく、「理解する教材」「本試験レベルを確認する教材」「隙間時間に見る教材」と役割を分けていました。
受験中に、買ったまま使わなかった教材はありません。
当時はお金がなかったので、講座や問題集はめちゃくちゃ吟味して、必要最低限しか買いませんでした。
結果的に、この制約は良かったと思います。
新しい教材を買うと、一時的に勉強した気分になります。でも、教材が増えるほど、一冊あたりの周回数は落ちます。
司法書士試験は範囲が広いため、一度理解して終わりではありません。忘れる前提で、同じ知識へ何度も戻る必要があります。
自分の場合は、次のように役割を分けました。
● 講義テキスト:知識を一元化する中心教材
● 基礎ドリル:序盤3周までの土台作り
● 伊藤塾セレクション:本試験での問われ方を確認
● 伊藤塾の答練:記述式の演習量を確保
● LECの答練・模試:本試験レベルと会場の緊張感に慣れる
● ケータイ司法書士:移動・待ち時間の補助
教材選びで大切なのは、「評判の良い教材を全部買うこと」ではありません。何のために使い、いつまで使い、何周するのかを決めることです。
これから司法書士試験を始めるなら、まずメインとなる講座またはテキストを一つ決める。次に、対応する過去問と記述式教材を用意する。それで十分です。
不安になったときほど新しい教材へ逃げず、今使っている教材をもう一周する。自分はその繰り返しで一発合格までたどり着きました。


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