司法書士事務所で働いていて、
- 今の年収や残業時間に不満がある
- 別の司法書士事務所へ移るべきか迷っている
- 企業法務など民間企業への転職も気になっている
- 求人票だけを見て応募していいのか不安
という人は多いと思います。
結論から言うと、司法書士が転職するときは、転職エージェントを使ったほうがいいです。
ただし、1社だけの話をそのまま信じるのはおすすめしません。
自分は、司法書士事務所へ入るときには士業特化の転職サービスを利用し、その後、未経験から企業法務へ転職するときには、リクルートエージェント、MS Agent、ビズリーチなどを併用しました。
前提として、候補者側からしたらすべて無料のサービスです。
各企業の情報をエージェントという責任を負う立場の人から得られるので、使わない手はないと考えております。
巷では、「直接応募のほうが企業は紹介手数料を払わなくて済む。その分、採用で有利になる」という意見をよく見かけます。
たしかに、直接応募を受け付けている企業であれば、手数料がかからないこと自体は事実です。
ただ、まともな企業であれば、数十万円〜百万円単位の手数料を惜しんで、本来求めていない人材を有利に扱うような採用はしません。
特に上場企業や一定規模以上の企業では、エージェント経由の採用を基本にしていることも多く、直接応募そのものができない求人もあります。
採用で重要なのは、応募経路よりも、そのポジションで求められている経験や素養に自分が合っているかです。
むしろエージェントを通すことで、求人票だけでは分からない選考基準や企業の本音を事前に把握できる場合があります。
エージェントは、転職先を決めてもらう相手ではなく、求人票に載っていない一次情報を集めるための手段です。
この記事では、司法書士の転職でエージェントを使うメリット、注意点、相談前に聞くべきことを、自分の経験をもとにまとめます。
司法書士の転職では、求人票だけで判断しないほうがいい
司法書士事務所の求人は、求人票だけでは実態が見えにくいことがあります。
年収、賞与、残業代、残業時間、休日対応、教育体制、業務内容、所長の考え方。
どれも、入所してからでないと分からない部分が多いです。
特に小規模な司法書士事務所では、求人票上の条件と、実際の運用に差が出ることもあります。
自分も前職では、労働条件通知書や求人票に書かれた内容と、実際の労働環境に相違があり、後からトラブルになりました。
もちろん、すべての事務所やエージェントに問題があるという話ではありません。
ただ、人生の時間を使う転職で、求人票の文字だけを信じて判断するのは危ないと思います。
実際に転職した人の話や、複数のエージェントから聞ける情報も含めて判断するべきです。
司法書士事務所選びで確認すべき質問は、こちらの記事にもまとめています。
司法書士の転職で失敗しない事務所選び|求人票の罠と面接で聞くべき質問
司法書士向けの特化型エージェントには、独自求人がある
自分が司法書士事務所へ転職したときは、士業に特化した転職サービスを使いました。
士業特化のサービスを使うメリットは、一般的な求人サイトには出ていない司法書士事務所の求人を持っていることです。
実際に、そのサービスにしか登録していない司法書士事務所もありました。
司法書士事務所の求人は、企業のように大量採用をするケースが多くありません。
そのため、所長と付き合いのある特化型エージェントへだけ求人を出していることもあります。
特に、次のような希望があるなら、士業特化のエージェントに相談する価値があります。
- 不動産決済を中心に経験を積みたい
- 相続・商業登記・成年後見など、扱いたい業務がある
- 都内の決済事務所で年収を上げたい
- 将来的な独立を見据えて、幅広い実務を経験したい
- 土地家屋調査士とのダブルライセンスを生かしたい
**自力で求人を探すだけでは、そもそも出会えない求人がある。**これは、エージェントを使う理由の一つです。
企業法務を目指すなら、総合型・法務特化型も使うべき
司法書士事務所から企業法務へ転職したいなら、士業特化だけではなく、総合型や法務特化型のエージェントも併用したほうがいいです。
自分は企業法務への転職時に、リクルートエージェント、MS Agent、ビズリーチなどを使いました。
上場企業や一定規模以上の企業では、直接応募を受け付けず、エージェント経由の採用を中心にしている会社もあります。
そのため、そもそもエージェントに登録しないと応募できない求人があります。
また、企業と長く付き合いのある担当者は、求人票だけでは分からない情報を持っていることがあります。
たとえば、
- そのポジションで本当に求められている経験
- 書類選考や面接で見られるポイント
- 過去に採用された人の経歴
- 面接回数や選考のスピード感
- 年収レンジや提示額の考え方
- 未経験者を採る余地があるか
こうした情報は、求人票を眺めているだけでは分かりません。
自分が利用した範囲では、企業法務への転職時に担当してくれたリクルートエージェントの対応は、迅速かつ丁寧でした。
書類の提出、面接日程の調整、質問への回答も早く、転職支援のプロだと感じました。
企業法務への転職を考えるなら、まずは求人を見て、自分の経歴で応募できる求人があるかを確認するだけでも価値があります。
司法書士事務所から未経験で企業法務へ転職した経緯や、選考で評価された点は、こちらで詳しく書いています。
司法書士から企業法務へ転職できる?未経験で上場企業法務に内定した実体験
転職エージェントは「1社に絞らない」のが大事
転職エージェントを使うときに一番大事なのは、1社の情報だけで判断しないことです。
エージェントごとに持っている求人が違います。
担当者の得意分野や、企業・事務所との関係性も違います。
同じ求人について聞いても、返ってくる情報が違うことがあります。
「複数のエージェントを使うと、いろいろ営業されそうで面倒そう」と思う人もいるかもしれません。
気持ちは分かります。
ただ、転職活動は、情報の偏りをなくすことがかなり重要です。
一人の担当者の意見には、その人の経験や保有求人によるバイアスが入ります。
でも、複数のエージェントに同じことを聞けば、話の共通点と違和感が見えてきます。
たとえば、複数の担当者から「この事務所は残業が多い」「給与の伸びが弱い」と言われるなら、その情報の信頼性は上がります。
逆に、ある担当者だけが強く応募を勧めてくる場合は、「なぜそこまで勧めるのか」を一度冷静に考えたほうがいいかもしれません。
2〜3社に登録して同じことを聞けば、求人や担当者の話の裏取りができます。
エージェントは無料で利用できます。
転職するか決めていない段階でも、2〜3社に登録して情報を集めるくらいで十分です。
エージェントとの面談で聞くべき質問
エージェントとの面談では、遠慮して「紹介できる求人はありますか」だけで終わらせないほうがいいです。
自分の時間を守るために、具体的に聞くべきです。
臆せずガンガン質問して大丈夫です。
司法書士事務所への転職なら、以下は最低限確認したいところです。
- 1年目・2年目の想定年収はいくらか
- 賞与の支給実績と算定基準はどうなっているか
- 固定残業代は何時間分で、超過分は実際に支給されているか
- 繁忙期・閑散期の残業時間はどの程度か
- 土日出勤や本人確認対応はあるか
- 先輩職員の年収推移はどうか
- 所長は面接に出るか、どんな人か
- 入所後の教育体制はあるか
- 労働条件通知書はいつ出るか
企業法務への転職なら、以下も聞いておくといいです。
- 未経験者の採用実績はあるか
- 司法書士事務所の経験は、どこまで評価されるか
- 契約書審査、コンプライアンス、株主総会など、担当業務の比重はどうか
- 法務部門の人数や年齢構成はどうか
- 法務経験者と未経験者で選考が分かれているか
- 残業時間、リモートワーク、休暇の取りやすさはどうか
- 入社後に期待される役割は何か
聞きにくい給与の話も、エージェント経由なら確認しやすいです。
給与について聞いたから不採用になることを、過度に恐れる必要はありません。
むしろ、確認すべきことを確認せずに入社し、後から条件の違いに苦しむほうがリスクです。
エージェントに任せきりにしない
エージェントは頼れる存在ですが、最終的に働くのは自分です。
紹介された求人に応募するか、内定を受けるか、どの条件を妥協するかは、自分で決める必要があります。
担当者の説明を聞いたうえで、気になる点は面接で自分でも確認する。
可能なら、複数のエージェントに同じ求人の評判を聞く。
内定が出ても、その場で即決しない。
このくらいの距離感がちょうどいいと思います。
エージェントは、転職の意思決定を代わりにしてくれる人ではありません。
自分がより良い判断をするために、情報を持ってきてくれる人です。
まとめ:複数のエージェントから情報を取って、自分で決める
司法書士が転職エージェントを使うメリットは、求人を紹介してもらうことだけではありません。
求人票には出ていない、現場の情報や選考情報を得られることに価値があります。
特に、司法書士事務所から企業法務など民間企業への転職を考えるなら、エージェントを使わなければ出会えない求人もあります。
一方で、エージェントの話を鵜呑みにするのも危険です。
士業特化、総合型、法務特化型など、複数のサービスに登録して、情報を比べる。
年収、仕事内容、残業、休日、将来のキャリアを踏まえて、自分で判断する。
転職で後悔しないために必要なのは、1社の紹介を信じることではなく、複数の情報を比べて自分で決めることです。
今の事務所に残るか迷っている段階でも、まずは登録して市場を見てみるだけで大丈夫です。
自分の経験で応募できる求人があるのか、年収はどの程度が相場なのか、企業法務へ進む余地があるのか。
一度情報を取りに行けば、今の環境に残るとしても、判断の精度は上がります。
司法書士事務所から未経験で企業法務へ転職した経緯や、選考で評価された点は、こちらで詳しく書いています。
司法書士から企業法務へ転職できる?未経験で上場企業法務に内定した実体験


コメント